ラピタ人のルーツは北アジア!!DNA解析で確認される!ルーツは東アジア

ラピタ人をご存知でしょうか。ジブリではありません。ポリネシア地域に初めて到達したと考えられている航海集団です。そのルーツがDNA解析により判明したというのです!そしてルーツは東アジアでした!!
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Twitter:@ANU_CHL

ラピタ人とは


ポリネシア、ミクロネシア、メラネシアと言われる太平洋の島嶼部に見られる文化圏のことです。1970年代ごろより発掘が行われ、その際に確認された土器などをもってラピタという未解明の文化を定義づけています。

またこのエリアは、とてもおもしろい事に、近くにあるインドネシアやニューギニアなどとは異なり、人類がもっとも遅く到達したといわれるエリアなのです。
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wikipedia


考古学的な証拠でいえば、バヌアツで確認されている考古学的な証拠からBC3000年が最も古い事例と言えます。5000年前にやっと到達できたということです。

なぜそこまで遅かったのか!!
それは海です。他の場所も海を渡る必要がありますが、ポリネシアなどのエリアへ渡るには、太平洋を長距離移動する必要があるのです。その点で、もっとも難しい航海であったそうです。
アメリカ大陸へ人が渡ったのは1万年以上前です。過酷なベーリング海峡を渡り移動した人類ですが、この海を攻略するということは、それよりも難しい事だったんですね。


ラピタ人のルーツ


そんなラピタ人のルーツについて新たな研究が進められました。それがDNA解析です。バヌアツとトンガで確認された人骨から調査が進められることとなりました。

Pontus Skoglund氏によるDNA解析によると、ラピタ人の起源は、東アジアを起因しているそうです!!

そして問題となっていたパプアニューギニアなどからの移入に関しても、DNAが明らかにしてくれました。調査の結果、パプアニューギニアなどのオセアニアのDNAが含まれないと確認されたのです。オセアニアのDNAが混在するのは、それより以後ということです。東アジアが先で、オセアニアからの移入があとだそうです。

ちなみに確認されたDNAの出どころですが、台湾(Atayal系のDNA)やフィリピン(Kankanaey系のDNA)を起因する人々のDNAとなっています。日本にもとても近い人々ですね!!
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nature


台湾説はすでにわかっていた!?


ラピタの土器Red Flat-dish_small.jpg
archanth.anu.edu.au

実は、この台湾説については、すでにオーストラリア国立大学(ANU)の考古学者や言語学者が提案されていました。確認されているラピタ文化の特徴となっている赤い土器や黒曜石、貝などの装飾品から、台湾との関連性が指摘されていたのです!!考古学者はさすがです!!

そして言語学の面でもオセアニア(パプアニューギニアなど)とラピタ文化圏の国々の言語は異なるものだとわかっていたのです。

DNA調査は、関連性を明らかにしてくれます。でも文化のつながりを調べるなら、やっぱり考古学などの調査が必要で、研究者の見解があらためて正しいことが証明されたと言えるでしょう。


東アジアを起因としているということで、なんだかバヌアツやトンガが親戚のように感じてきました。そしてやはり考古学者はすごいです。地道な調査でDNAなどの研究をまたずとも、文化の交流がわかってしまうのです。引き続き世界の考古学的なニュースも取り上げていきたいと思います。でわまた!!

(via)
https://twitter.com/pontus_skoglund
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature19844.html
http://science.sciencemag.org/content/312/5772/360.1.full
http://www.sciencemag.org/news/2016/10/game-changing-study-suggests-first-polynesians-voyaged-all-way-east-asia